リビアングラスは天然鉱石の一種で、エジプトの広大なリビア砂漠から採掘される透明感がある黄色、黄緑、 無色、乳白色のテクタイト(天然ガラス)のことをさす。

その起源に関しては科学的にはっきりとは解明していないという。

リビアングラスは内部に鉄やニッケル等の隕石成分が混ざって発見されることもあることから、2850万年程前に、隕石の衝突などで起こった巨大な熱反応によって地表の岩盤の一部を溶かし、偶然出来上がったものという説が一般的となっている。

とはいえ、そのためにできたクレーターなどが見つかっていない事から、実際のところは未だ謎に包まれている鉱物なのである。

その起源を隕石の衝突とするならば、リビアングラスには丸い気泡がバラバラに混在しており、溶融時に流れた模様が穏やかであることから、瞬時にしてガラス化し生成したことが分かる。
小惑星の衝突で形成された天然ガラスのモルダバイト(チェコ周辺で見つかる緑色の天然ガラス)が1500万年ほど前に生成されたとされていることから、リビアングラスはそれよりもかなり起源の古いものということになる。

ツタンカーメンの墓から出土したスカラベ(古代エジプトで崇拝された聖なる甲虫をかたどった石)が、リビアングラスであったことが判明し、古くから非常に珍重され、神秘的に扱われていたという。

また、このことからもパワーストーンとしてリビアングラスの人気は高く、近年では、エジプト政府がリビアングラスの収集等を禁止したため、これまで以上に入手困難が予想されるレアストーンなのである。